クモ膜下出血は恐ろしい病気です。
発症すれば、50%が死亡します。
毎年、10万人中10人から20人が発症し、
その3分の1は、出血と同時に死亡してしまいます。
病院に運ばれても、そのまま亡くなってしまうことが多いのです。
奇跡的に助かったとしても、後遺症は軽くありません。
社会復帰できる人は、3分の1程度です。
クモ膜下出血は「ある日、突然起こる」と言われます。
でも、最近、その予兆があることが、わかりました。
クモ膜下出血の前兆・・・それは、頭痛なのです。
くも膜下出血とは、どんな病気?
クモ膜下出血の症状といえば、
ある日、突然に起きる激しい頭痛です。
クモ膜下出血が起きると、
「ハンマーでたたかれるような」激痛が後頭部から前頭部に広がります。
意識を失うこともあります。
目の痛みや、嘔吐、血圧上昇があることもあります。
これは、クモ膜下出血が起きた時の症状で、
前兆ではありません。
脳は硬膜・くも膜・軟膜の三層の膜でおおわれています。
くも膜の内側、脳脊髄液の中に出血する病気です。
出血する原因で、最も多いのが、脳動脈瘤の破裂です。
膿動静脈の奇形から出血することもありますし、
頭部の外傷で出血する場合もあります。
クモ膜下出血は「女性に多い」と思われていますが、
男女に関係なく、誰にでも起こる病気です。
男性は、40代・50代に発症することが多いようです。
女性は、閉経後の60代以降に発症しやすくなります。
前兆として、どんな頭痛が起きるの?
脳動脈瘤がある場合、
動脈瘤から少量の出血があったり
動脈瘤が神経を圧迫したり、することがあります。
そのため、クモ膜下出血が発症する1~3週間前に
急に、激しい頭痛が起こることがあります。
これを「警告頭痛」といいます。
頭痛は後頭部に起こることが多いのですが、
頭全体が痛むこともあります。
「風邪をひいたかな?」
という程度の頭痛の場合もあります。
しばらくすると、頭痛は消えてしまいます。
そこが怖いのですね。
でも、
「頭痛なんて、しょっちゅう起こるから・・・」
という人も多いですよね。
「頭痛持ち」の人は、前兆かどうか、見極めがつきにくいですよね。
頭痛といっしょに、次のような症状があったら、
クモ膜下出血の前兆を疑ってみてくださいね。
1 血圧が乱高下する
クモ膜下出血が起こる数日前から、
血圧が乱高下をくりかえすことがあります。
2 目に異常がある
痛みを感じたり、物が二重に見えたりします。
まぶたが下ることもあります。
3 めまいや吐き気がある
4 頭の中に違和感がある
頭の中が、ボォーッとしたり、モヤモヤしたりします。
これらの症状も、しばらくすると消えてしまうことが多いのです。
急に頭痛がして、こんな症状がある時は、すぐに病院に行ってくださいね。
クモ膜下出血のリスクが高まる5つの要因
クモ膜下出血による死亡リスクが高くなるのは
1 高血圧
高血圧症の人は、
クモ膜下出血による死亡リスクが、そうでない人の約3倍といいます。
血圧が高いと、動脈瘤にかかる圧力が高くなり、破裂しやすくなります。
2 タバコ
タバコはクモ膜下出血の大敵です。
喫煙習慣のある人の、クモ膜下出血による死亡リスクが、
非喫煙者の2.2倍~3.6倍にもなります。
「1日に何本吸うか」などということは、関係ありません。
3 家族に脳卒中の経験者がいる
家族の中に、脳出血・クモ膜下出血・脳梗塞を発症した人がいれば、
クモ膜下出血の死亡リスクは倍加します。
4 輸血の経験
男性の場合、手術などで輸血をしたことがあると、
クモ膜下出血のリスクが高くなります。
理由はわかっていません。
5 ストレス
女性は、ストレスによって、クモ膜下出血のリスクが高まります。
この5の要因の1つでもあてはまれば、
急な頭痛には、注意した方がいいですよ。
まとめ:急な頭痛に御用心!
クモ膜下出血は、だれでも発症する危険な病気です。
その前兆である頭痛を、軽く見ないでくださいね。
急に頭痛に襲われたら、すぐに病院へ行くといいですよ。
早目に治療すれば、快復して、社会復帰もできます。
めまいやしびれ、まぶたが下るなどの症状があれば、
救急車を呼んだ方がいいでしょう。
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